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道北に『自給のむら』~保養プロジェクト始動!~

 北海道豊富町内でチーズとアイスの工房「レティエ」を営む、酪農家の久世薫嗣(くせ しげつぐ)さん(1944年、岡山県生まれ)が、福島などの子どもたちの保養プロジェクトを始めた。
 久世さんは、自ら牧場を経営し自給的な生活をしながら、核廃棄物施設の誘致に反対する道北連絡協議会の代表委員も務め、チェルノブイリの子どもたちの保養受け入れなど精力的に活動を続けてきた。
 昨秋大腸がんが見つかり4度の手術を経て闘病中。
 「残りの人生は未来につながることをしたい」と、同町内の空き家を取得し、保養プロジェクト「自給のむら」づくりを進めている。

「自給のむら」立ち上げの経緯
 兵庫県の山奥での6年間、そして北海道に移住して27年間の生活で貫いてきた理念「自給し自足(欲望をコントロール)する、そして自立する」を、実践の中で伝えたいと思い、「自給のむら」の立ち上げにいたりました。
 北海道のこの地においては、隣町の幌延町が核のゴミ処理場の誘致に動いたときから、生活を築くことと国との闘いが同時並行して進行してきました。
 国は権力と金を使って介入してきました。
 そして今、福島原発事故以降、核のゴミの問題は全国、全世界的な問題になってきています。

この地での闘いかたは?
 基本的には自分が、自分の家族が自立すること。
 そして地域も自立すること。
 それを日常的な闘いとして位置づけてきました。

 この「自給のむら」は、自分達の生きる能力を開花していく場を目指しています。
 年齢、性別をこえて賛同者も集まりはじめ、少しずつ動き始めています。
 「自給のむら」での保養は福島の子供達を優先しますが、関東圏の子供達も可能な限り対応します。
 福島原発事故の影響は広く関東圏にもおよんでいます。
 朝起きられない、風邪を引きやすい、走ると足の裏が痛い等いろいろな症状が出ています。
 一定期間の転地保養が免疫力を高めるのに効力があるのはチェルノブイリの子供達の保養で実証済みです。
 チェルノブイリの人達は福島の事故以降、「自分達はもういいから、福島の子供達を守ってやってほしい」と伝えてきています。
 いまを生きる自分に何ができるか? 問いかけながら歩き始めました。
(2015.12.10 久世薫嗣)


 政府は「原発事故との関連性は考えにくい」という見解を崩さないが、小児甲状腺がんの多発などの健康被害が明らかになってきている。
 避難・移住を支援すること、保養をすすめることは、人々の健康を守る上で欠かせない取り組みである。
 ベラルーシでは毎年国家予算の約半分が保養のために使われている。
 (日本でのそれはわずか1億数千万円。一方オスプレイの購入費用3600億円を米国に支払おうとしている)
 原発事故直後は数多くあった保養の取り組みも、資金面が厳しいこともあるのだろう、その数を減らしつつある。
 しかし放射能汚染の影響はなくなったわけではない。
 むしろこれから増えてくる可能性も指摘される。
 民間レベルでの息の長い取り組みがますます重要となってくる。
 「自給のむら」では2016年春からの保養受け入れを目指し、ボランティアスタッフや募金の協力を募っている。

チーズとアイスの工房「レティエ」 【連絡&振り込み先】
 ・〒098-4101 豊富町福永 久世 薫嗣(くせ・しげつぐ)
 ・携帯電話:090-8898-0667
 ・郵便振替口座:02700-4-48599
 ・銀行口座:ゆうちょ銀行179店、当座預金0048599

 工房レティエ
 〒098-4101 北海道天塩郡豊富町福永
 TEL/FAX 0162-82-1300
 10:00-17:00 火曜定休

 この工房の横に石釜を備えた厨房を建てる計画が進行中。
 保養に来た子どもたちがパンやピザを手作りする経験ができる。